こんにちは。オプショナルアーツの山川です。
先週金曜日に3331に行って、
「HOME ALONE」と「フォーエバーヤング」を見てきました。
開催場所は3331。
「HOME ALONE」は island MEDIUM、
「フォーエバーヤング」はバンビナートギャラリーです。
その晩には赤羽史亮さんと尾竹隆一郎さん、アートコレクターの岡田聡さん、アーティストの加藤泉さんのトークセッションもあり、こちらも参加してきました。向かって左側の帽子をかぶっている方が赤羽さん、右側の方が尾竹さんです。
この2つの展示会をどのように紹介すべきなのか。実はけっこう悩みました。うまく説明できる自信がないんです。でもとりあえず頑張ってみましょう。
「HOME ALONE」は、尾竹さんのインスタレーションと赤羽さんの絵画を混在させた展示です。会場となっているisland MEDIUMの方によれば、フライヤーに使われている写真は尾竹さんの自宅(アトリエ)らしいのですが、その世界がそのままギャラリー内に展開されているというイメージなんだそうです。
2人展ではあるのですが、作品の存在感は尾竹さんのインスタレーションの方が大きい。インスタレーションの間を埋めるように、赤羽さんの絵画が飾られているような印象です。また「HOME ALONE」というタイトルも、尾竹さんが同名の映画の主役を演じたマコーレー・カルキンに似ているから、という理由でつけられたといいます。
「HOME ALONE」で展開されている2人の作品は、別にテーマが共通しているわけでもなく、テイストや手法が似ているわけでもありません。まったく異質なものが混在しているという感じです。でも決してそれらがぶつかっているわけではない。性格のちがう2人の子供が、仲良く遊んでいるというイメージなのです。
一方「フォーエバーヤング」の方は、両者の作品が完全に分けられ、対峙している。ギャラリー入り口から見ると、左側に赤羽さん、右側に尾竹さんの作品が並んでいます。やはり作品のテイストは大きく異なりますし、展示方法もかなり違います。
まあ百聞は一見に如かず。できれば現場を見るのがいちばんです。
さてここから先は、2つの展示会を通して、作者毎に主な作品を紹介したいと思います。
まずは赤羽さんから。
赤羽史亮さんは2008年武蔵美の油絵学科を卒業、まだ20歳代の若手アーティストです。「フォーエバーヤング」の会場に入った時、私の目を惹き付けたのが、「きのこのはなし」という作品です。
なんだろう。この深い黒と濃い緑。盛り上がった油絵の具。それらが強い存在感を放っている。一種の禍々しさもある一方、眺めていてホッとする部分もあります。不思議な感じ。
これはタイトルなし。黒く塗られた画面の中に、顔らしきものがある。これも黒の存在感が強い。
これは「けむりたけ」。けむりたけらしき姿の中に顔があって、舌をちょろっと出しているのか。これも黒と緑の絵の具の存在感が際だっており、その中にちょろりと入っている赤が鮮やかです。
そしてこれは「おはよう あそぼう」。モノクロームに近いざわざわとした画面に、子供らしき姿が薄っぺらく描かれています。
他にも展示されていましたが、「フォーエバーヤング」の赤羽さんの作品は、全体的に黒が基調となっている。画面は暗い。でも暗いだけではなく、光も感じる。盛り上がった油絵の具が光を反射するせいなのでしょうか。
これが「HOME ALONE」になると、一気にカラフルになる。ここではその中から4作品を紹介します。
「HOME ALONE painting (nuts head)」
「HOME ALONE painting (yellow rat)」
「HOME ALONE painting (pump and rat)」
ね。印象がガラリと変わっている。でも底にあるものは共通しているような気もします。
トークセッションで赤羽さんはこのように言っていました。
「ずっと制作はしていたんだけど、けっこう2人とも煮詰まっていて。どうしたらいいのか、うまく先に進めない感じがあって。その変化みたいなものを見せられればいいのかなと」
「同じようなテクニックを使って、自分の中でルールのようなものができてしまうと飽きちゃうんですよね。こうやったらできちゃうっていうルールができると、もうちょっと無理かなという感じになってしまいますね」
ふむ。
これは個人的な見解なのですが、赤羽さんの作品は「何が描かれているか」よりも「どう描いているのか」を楽しむ絵画なのかなと思います。ネズミとかキノコとか、複数の作品に共通するモチーフがあるようなのですが、たぶんネズミやキノコである必然性もないのかなと。描くために何らかのモチーフを設定するんだけど、結局のところ絵の具をどうやって画面に乗せていくのか、あるいは削っていくのか。そういうところがポイントなのかなと。
赤羽さん、違っていたらごめんなさい。でもそんな印象なんですよね。
次回は尾竹さんの作品を紹介します。
そうそう「HOME ALONE」は1月22日(日)までなので、興味のある方はお急ぎあれ。