こんにちは。オプショナルアーツの山川です。
またまた、卒展で見た作品から、いくつか紹介したいと思います。今回紹介するのは多摩美術大学大学院 油絵専攻を修了された田川春菜さんです。
まずはこれ。タイトルは「加速度」です。
田川さんの作品の特徴は、モチーフとなっている少女の顔にあります。目が大きく、鼻や口が極端に小さい。そして目と目の間が離れている。まるで幼女のようでもあり、妖精のようでもある。
芸術祭には平面・立体含めて複数の作品が展示されていましたが、この特徴は共通しています。以下の3枚の写真は、芸術祭の時の展示の一部です。
で、先ほどの「加速度」に話を戻すのですが、この作品ではさらにオモシロイ特徴が、ふたつ追加されています。
まずパッと見てわかるように、顔のパーツの配置が、より極端に歪んでいる。目と目が離れているだけではなく、その左右の位置がすでにシンメトリーではない。また鼻や口も単に小さいだけではなく、妙にずれた位置に集中して配置されている。まるで福笑いの顔を見るような感じです。
そしてもうひとつ注目したいのが、各パーツが妙に瑞々しくって、奇妙なエロチシズムを感じさせることです。
例えば目。
パーツだけ見ると、まるで写真のようなリアルさです。「水も滴る」という表現がありますが、それがそのままの形で提示されているようだ。実際、この唇、すごくセクシーだよね。鼻の位置があり得ないほどずれてますけどね。
卒展では襖絵も展示されていたのですが、これもなかなか手間のかかった、興味深いものでした。
外観はこんな感じ。
こりゃあ入ってみないといけませんね。というわけで入ってみると・・・
おお。迫力がある。なんだか襲われているようだ。
左右は林の中の雪景色です。
そして振り返ると・・・
うっひゃあ。こりゃすごい。遊び心たっぷりです。
おもしろい。実におもしろいです。