今回は3331内の Gallery Jin Esprit+ で開催されている 早川純子さんの個展「ゴロリ夜明けのバン」の中から、いくつかの作品をご紹介します。
早川さんの1994年に多摩美術大学油絵科を卒業、1997年に同大学院の版画専攻を修了され、版画作品や絵本を数多く手がけています。今回の展示では木版画やモノタイプ、絵本などが展示されているのですが、モノタイプの作品に気持ちが強く惹かれてしまいました。
これはモノタイプならではなのでしょうか。描線のタッチが、なんだかとても心地いいのです。
モチーフは流れ星です。空から無数の星が流れています。
『昨年の3月11日から、目に見えないカーテンのようなものが
目の前に何枚も現れ、ひらひらと揺れています。
揺れてるのを横目で見ながら最近作っていますが、
作品はまあいつもと同じ感じです、、、
くすっと笑って楽しんでいただけたら嬉しいです。』
これが作家ステートメントです。流れ星は何を象徴しているのだろう。「人々の魂」などとまとめてしまうのは、陳腐に過ぎるだろうか。
「流れ星の向きを変えると、打ち上げ花火のようにも見えるんですよ」。早川さんはそう言います。
そして流れ星の形は、鶴の頭部にも変化する。
流れ星が先なのか、鶴が先なのか。ひょっとすると鶴の方が先だったのかもしれない。よくわからない。
9.5cm×8cmの小さなモノタイプもありました。これらもいい。
他にも奥の部屋に、以前制作した作品群が展示されています。それから絵本も。
私は最新刊の「たべちゃうぞ」が気に入ったので、迷わず購入しました。これは一つひとつの詩に版画イラストがついているものなのですが、私はこの中の「たべちゃだめ」が好きです。どんな内容かは・・・秘密です(笑。
早川純子さん個展「ゴロリ夜明けのバン」、7月22日(日)までやっています。3331では他にも面白い展示、やってます。週末に時間が取れたらぜひ。