こんにちは。オプショナルアーツの山川です。
今回は武蔵美卒展の第3弾。
インスタレーションと立体モノの中から、
気になった作品を4点ご紹介します。
油絵学科油絵専攻 大野光一さん
(タイトルなし)
個々の顔の描き方も、また独特ですね。この作品は研究室賞を受賞しています。
造形学部 日本画学科 男鹿哲平さん
「電気コードによる造形表現-群像-」
5A号館1階壁面にあった作品です。壁面いっぱいに4枚のパネルが貼られ、その上に電気コードで19人の人々が描かれています。「なんだこれは」とおもわず立ち止まってしまいました。
確かに白い電気コードで人の形が描かれています。え、よくわかりませんか?ではさらに・・・
ね、電気コードが小さな釘で固定されています。このような“自由の利かない素材”でこれだけの線を描けるというのは、驚きです。描かれている人々の表情も、なかなかいいと思いました。
工芸工業デザイン学科 金工専攻 今井みのりさん
「silpicsto」
これもなかなかの大作です。幅は6m60cm、高さは3m20cmあります。タイトルの「silpicsto」って、どういう意味なんだろう。ちゃんと聞いておけばよかったな。ググッても何もヒットしません。
表現の内容自体は特に目新しくない。ポイントはその作り方にあります。曲げた鉄の棒を溶接して作られているのです。
そして最小限の描線で、十分な情報を伝えることに成功している。例えば右端の子供がズボンを脱いでいるようすなんて、たったこれだけの線で表現されています。
扱いにくい素材を使いながら、必要にして十分な表現を行っている。これは前出の「群像」にも通じますね。
工芸工業デザイン学科 金工専攻 折茂由樹さん
「りんごにまつわる楽しい嘘Ⅲ」
最後はこれ。人のアタマほどもある大きな苺が、壁からニョキニョキっと生えています。なかなかきれい。なかなかラブリー。
ところで「りんごにまつわるたのしい嘘」って、どういうこと?その意味は、かなり接近しないとわかりません。
いちごの種が、実はリンゴの形をしているんです。なるほど。このりんごだけでも、立派な作品になっていますね。
さて武蔵美卒展のレポートは以上です。次回は今週月曜に取材してきた、東京芸大の卒展からいくつかの作品をご紹介します。