こんにちは。オプショナルアーツの山川です。
今回は3331のA/Agalleryで開催されている『東京ブギウギ,やまなみウキウキ』展の中から、2人のアーティストの作品をご紹介します。
この展示会はエイブル・アート・ジャパン(旧称「日本障害者芸術文化協会」)が行っているもので、知的障害のある人達の通所授産施設である「やまなみ工房」に所属している方々の作品展です。オプショナルアーツの趣旨は「若手アーティストの紹介」にあるので、今回はちょっとだけ趣旨からはずれるのですが、作品にものすごいパワーというか、生命力を感じたのです。
タイトルは「目・目・鼻・口」。角錐の上部に無数の穴が開けられている。これらの穴は割り箸で一つひとつ開けられているのです。
これらは販売もされています。ちょっと触ってみると土のかたまりを焼いてあるのか、素焼きの陶器のように堅くてザラリとしています。その全体的な形も面白いのですが、上部に開けられた数多くの穴が、その存在感をさらに強くしている。なんだか生きもののような感じです。
もう一人は鎌江一美さんです。1966年生まれで1985年から「やまなみ工房」に所属。私とほとんど同世代です。モチーフは「人の顔」なのですが、その構成法がすごい。
タイトルは「ひと」。無数の突起が集まって顔を形作っています。
これも鎌江さんの作品。タイトルもおなじ「ひと」です。
まるで生きている珊瑚礁のようです。これも素焼きの陶器のようなマテリアルなのですが、無数の突起物がいまにもユラリと動き出しそうです。
吉川さんは日本の代表的なアウトサイダーアーティストとして知られている方だそうです。武蔵美のライブラリーには「日本のアウトサイダーアート 7 異端のデフォルメ:吉川秀昭」というドキュメンタリー映像もあるようです。また鎌江さんも公募展で大賞を受賞するなど、高く評価されているようです。
『東京ブギウギ,やまなみウキウキ』展は2月19日(日)まで開催されています。実物は写真以上のパワーですよ。