こんにちは・オプショナルアーツの山川です。
またまた引き続き「東京五美術大学連合卒業・修了制作展」からのご紹介です。
今回は、女子美術大学 日本画の関口さおりさんの作品です。
壁一面に12枚のパネル。キース・へリングを思わせるソリッドな描線に、グラデーションのかかった鮮やかな色。タイトルは「抱擁」です。
(クリックすると拡大します)
それぞれのパネルに描かれているのは、タイトルどおり、人と人とが抱擁している姿なのでしょう。どのような体勢(体位?)で抱擁し合っているのか、なんとなくわかるものもあれば、ちょっとわからないものもある。でも全体的な印象は一貫しています。
丸い。そう、まあるいんです。
キース・へリングの作品群を見たときの印象は、あのポップな描線とは裏腹な、セックス、暴力、死といったものが色濃く表現された、とても挑発的な感じでした。関口さんの作品はそれとは対照的に、優しく包み込むような印象を与えます。
まるで子宮の中の胎児が抱き合っているようなイメージ。これを見て、ジョン・レノンが暗殺される数時間前に撮影されたという、オノ・ヨーコと抱き合っている写真を思い出しました。(この写真。掲載場所はここ。公式サイトはどこなのだろう?)
うまく言えないんだけど、ぼんやり眺めていると、気持ちが落ち着いてくる感じです。
「東京五美術大学連合卒業・修了制作展」は国立新美術館で3月4日(日)まで。今週末が最後のチャンスです。