前回は「きのこにこだわるアーティスト」でしたが、今回は「まめ」です。
アーティストの名前は大隅さよこさん。多摩美術大学大学院修士課程で日本画を学び、今年修了する予定です。先週土曜日まで銀座で「まめあそび」という個展を開いていたのですが、今回はそのレポートです。
実はこの方も昨年の芸術祭の時に着目していたのですが、個展もなかなか面白いものでした。
まずはこの作品から。タイトルはずばり「まめあそび」です。
なんだか細かい点が、二次元正規分布のような形で散らばっています。まるで星団のようですね。
これが近づいてみると、さまざまな種類の豆なんです。
--なぜ豆なんですか?
大隅さん「描くモチーフについていろいろ調べていたとき、豆の面白さにはまってしまいました。豆って世界中で食べられている食品で、しかも実に数多くの種類があるんですよ」
なるほど。これはきのこにも通じるところがありそうです。
それはさておき、他の作品も見ていきましょう。とりあえず説明は抜きで。
「repulsion」は「シルクスクリーンかな?」と思わせるタッチですが、すべて岩絵具などによる日本画の手法で描かれているそうです。
バッグやスタンプもありました。
そしてこれは、豆の絵を豆本の形にまとめた、その名も「まめまめ」です。
ほんとうに遊び心いっぱいというか、自由に楽しんでいるというか。
それからひとつだけ、モチーフが豆ではない作品もありました。
近づいてみると・・・
唐辛子です。
--なぜタイトルが「男の子」なんですか?
大隅さん「韓国の風習で、男の子が生まれると唐辛子を玄関に飾るというのがあるんです」
なるほど。
これらの作品は、テキスタイルパターンとしても使えそうです。実際これらの絵をベースに、手ぬぐいを作ることも検討していたそうです。最終的にはコストが高くて諦めたそうなんですが。詳しい話は聞きそびれましたが、原画候補はきっと、先ほどの「まめしぼり」だったんでしょうね。