こんにちは。オプショナルアーツの山川です。
ひと揃いの男性器をつけてこの世に生まれ落ちてから、すでに47年以上が経過しました。そして以前から「生まれ変わるチャンスがあれば、ぜったい女性の方が楽しいはず」と思っていたりします。もちろん女性にもいろいろ悩みはあるだろうし、たいへんなこともあるだろうとは思うんですが、女性って男性と決定的に違うところがあるような気がするんですよね。
それは「自分自身を楽しむ」チカラが、女性には備わっているということです。
たとえば秋葉原を歩いてみると、その差がよくわかると思います。そこで見かける男性の典型といえば、バッグを斜めがけにしたいわゆるオタクと呼ばれている人々。彼らにとっての存在意義は、特定の分野に関して他の人よりも知識があったり、造詣が深いという点にある。それに対して女性の典型は、メイド服を着たカフェ店員。彼女たちはその存在自体に意義がある。
ちょっと対比が強引すぎるでしょうか。
ライブアイドルとかリアル系アイドルが女性中心なのも、自分自身を楽しんでいる女性達が、同様の男性達よりも多いことを物語っているような気がします。自分自身を楽しむ究極のあり方が、ライブアイドルなのではないかとも思ったりします。
まあ最近では若い人の中性化が進んでいるとも言われているので、こういった対比がいつまで有効なのかは、よくわからないんですけどね。
さて前置きが長くなりました。今回ご紹介したいのは、東京藝術大学卒業・東京藝術大学大学院修了の一方で、アイドルユニット「フルーツ☆パンチ」のストロベリィとしても活動している、渡辺真子さんです。いま3331のBambinart Galleryで『渡辺真子展「KIRAMEKI」』が開催されているのですが、その作品群が実に「自分自身を楽しんでいる」オーラを出しているんです。
まあご覧ください。(照明の映り込みを避けるため、ちょっと上から撮影しています。画面が若干歪んでいますがお許しください)
作品の中央でポーズを取っているのは渡辺さんご本人。なかなかキュートで、確かにアイドルっぽい。女の子が好きなカワイイ女の子を突き詰めていくと、こんな感じになりそうです。そしてその回りには、やはりカワイイ女の子達と、女の子が好きそうな、カワイイあれこれ、スィートなあれこれ。すごく楽しそうです。
こちらも基本的なテイストは同じですが、テーマは遊園地ですね。背中に止まっている蝶の存在がいいアクセントになっています。
これは大きなケーキを中心に、たくさんの女の子達がポーズを取っている。女子会ってこんな感じなのかな、な~んて、脳内で妄想が膨らんでいきます。
そしてこれも華やかです。ウサギ、リボン、お花、キャンディ、ロールケーキ・・・。虹のようにも見えるカラフルな半円達が、パンチを効かせています。
それから他の作家さんが描いた絵を、自分自身の写真で再現するという作品もありました。これも面白い。
左は「愛☆まどんな」さんの「被害妄想しすぎちゃん」という作品。右はそれを渡辺さんが写真で再現した作品だということです。
全体を貫くキーワードは「カワイイ」ではないかと思うのですが、もうひとつ「セクシー」というのも、重要なキーワードだといえそうです。作品の中に登場する女の子達は、それぞれセクシーな格好・ポーズをしています。しかしそのセクシーさは、どうやら男性に向けられたものではない。自分と同じような女の子達、あるいは自分自身に向けられたセクシーさという感じです。
セクシーさというものは、本来であれば異性に対するアピールのはずですが、ここではそういった構図がすでに解体されています。自分自身のセクシーささえも、自分自身で楽しんでしまう。そんな女の子達が、ここには存在しているのです。
女の子って、やっぱり楽しそうだなあ。
それはさておき『渡辺真子展「KIRAMEKI」』は2011年12月25日(日)までやっています。他にも作品がありますし、ここに掲載した写真ではビビッドさが伝わらないので、ぜひ会場に足を運んでみてください。