今回は1月13日に「3331 アンデパンダン・スカラシップ展 vol.2」で見た、Hi!LEGさんの「有名になりたいプロジェクト」をご紹介します。
「Hi!LEG(はいれぐ)」は武蔵野美術大学映像学科在学中の3人のアーティスト(萩生かなさん、寺川秋穂さん、吉山桃子さん)によるアートユニットです。「有名になりたいプロジェクト」は彼女ら自身を映画のポスターに登場させるという、パロディ作品シリーズ。これが「3331 アンデパンダン・スカラシップ展 vol.2」でオーディエンス賞を受賞し、展示されているのです。
実はこの作品群を、私は2011年10月の武蔵美芸術祭で見ています。この時はたしか、鷹の台キャンパス12号館の階段の壁に、ごく普通のチラシのように貼ってありました。こんなふうに。
初めて見たときの感想は「なんだこりゃ」。こんな感じのオリジナル&パロディのセットが、階段の壁のあちこちに。どれを見ても、その絶妙な「ハズシ方」が、なんというか、ちょっと可笑しい。ジワジワと可笑しいのです。
行ったことのある方ならご存じだと思いますが、鷹の台12号館の長~い階段は、照明が薄暗くて撮影に向いていません。私が撮った写真も、かなりの割合でぶれていました。それが3331に展示されているという。これはもう一度見に行って、写真に収めておくしかないじゃあないですか。この展示会は本来なら撮影禁止なのですが、ネットで紹介したいと申し入れたらプレスパスを発行して、撮影を許可してくれました。(ありがとうございます!)
それではまず、その全貌を。
どれもなかなか味があるのですが、私のイチ押しは「マトリックス リローデッド」のパロディです。キアヌ・リーブスになりきっている方は、この映画に登場したメロビンジアンの部下の、女性ファイターに似ているような気がします。ほらいたでしょう、キーメーカーの居場所に通じるホールで棍棒を振り回していた、サングラスをかけた東洋系の女性ですよ。
冒頭に掲載した「ゼロの焦点」も、オリジナルと並べると、違いを再確認できます。
「アメリ」のパロディは、単独でも十分にインパクトがありますね。
その一方で、いまひとつ面白さが伝わってこないものもあります。
これとか
たぶん面白さのポイントは、顔にあるのでしょう。人の顔って形態としての違いは小さいはずなのに、その小さな違いが大きな印象の差を生み出す。このパロディの面白さの核は、そこにあるような気がします。
この「ソルト」のパロディなんて、「誰が、ソルトなのか?」というキャッチコピーを、「誰がソルトやねん」と関西弁で言い直したくなる。作品のボケに対して、鑑賞者がツッコム楽しさ。なかなかいいです。
ここでご紹介したのはごく一部です。「3331 アンデパンダン・スカラシップ展 vol.2」は1月29日(日)までやっていますので、興味のある方はぜひ。他の作品も展示されていますよ。