こんにちは。オプショナルアーツの山川です。
今日「東京五美術大学連合卒業・修了制作展」を見に行ってきました。面白い作品がいくつかあったので、何回かに分けて、勝手に紹介させていただきます。
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まず最初にご紹介するのは、多摩美術大学 彫刻学科の中里洋介さんの作品です。タイトルは「sketch」。
色とりどりの被覆ケーブルのようなもので、これらの形が作られているのです。
例えば脚立とごみ箱。
そしてペンチや金槌も。
それぞれの形にはものすごくリアリティがあるんだけど、形を構成するマテリアルが異なると、まったく印象が変わってしまう。「sketch」というタイトルは、色鉛筆でスケッチを行うのと同じことを、3次元でやってみたという意味なんだろうか。でも2次元のスケッチでは、これだけの「ズレた感覚」は生じないだろう。3次元で真っ正面からやっているところに意義があるような気がします。
実体があるのは表面部分だけで、中身は空っぽです。ソリッドモデルではなく、サーフェスモデルだということです。どうやって作ったんだろう。本物の脚立や換気扇のまわりに、ケーブルを押しつけて形を作っていったのかなあ。あまりにもリアルな形状なので、最初はそう思いました。でもそれならまわりをケーブルで包んだ後、どうやって中身を取り出したのか。よくわかりません。
う~ん。謎だ。
でもこういうの、好きだなあ。生理的にも気持ちいいし、アタマで考えさせる部分があるのもいい。面白いです。
この作品は、国立新美術館1階の多摩美エリアに展示してあります。「東京五美術大学連合卒業・修了制作展」は3月4日(日)まで。「文化庁メディア芸術祭受賞作品展」も同時開催なので、ぜひたっぷり時間をとって来場されることをお勧めします。